再生医療とは、近年注目を集めている新しい概念の治療であり、動物の身体を構成している細胞を体外で人工的に培養、増幅させて身体に投与する治療法です。
再生医療とは
再生医療とは、近年注目を集めている新しい概念の治療であり、動物の身体を構成している細胞を体外で人工的に培養、増幅させて身体に投与する治療法です。
投与された細胞が分泌する生理活性物質が周りの細胞や組織に作用する事で、炎症を抑えたり、免疫機能を調節したりする事で、身体を元の正常な状態に戻そうとします。
悪い所を叩くことが中心の化学的な薬剤による治療などと異なり、身体が本来持つ修復機能や自己治癒力を利用する事が大きな特徴です。
これまでの標準治療で改善が難しかった病気の改善が望める一方で、まだまだエビデンス(科学的根拠)が不足している新しい治療です。
人の医療の方でもまだ臨床試験の段階であり、2018年4月に公表された「犬及び猫における再生医療及び細胞療法の安全性確保に関する指針」に沿って実施する事が重要になります。
今後の再生医療発展の為にも、症例の学会での発表や論文発表が必要とされています。
現在、当院で可能な再生医療
- 間葉系幹細胞治療
- PRP療法(多血小板血漿療法)
間葉系幹細胞療法について
幹細胞とは自己増殖能と多分化能を有する細胞の事です。
最近では、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)が注目されています。 獣医医療では、骨髄や脂肪由来の間葉系幹細胞が使用されています。 間葉系幹細胞は、
を持つサイトカイン、増殖因子を分泌し、組織修復や免疫寛容効果が、得られる事がわかっています。
これらにより、今までの治療法では抵抗性を示す疾患に対しての改善効果が期待されています。
最近では、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)が注目されています。 獣医医療では、骨髄や脂肪由来の間葉系幹細胞が使用されています。 間葉系幹細胞は、
- 抗炎症作用
- 細胞増殖促進
- 血管新生促進作用
を持つサイトカイン、増殖因子を分泌し、組織修復や免疫寛容効果が、得られる事がわかっています。
これらにより、今までの治療法では抵抗性を示す疾患に対しての改善効果が期待されています。
投与中の様子
幹細胞の投与自体は約1時間です。
点滴ラインがたるんだり詰まらないように付きっきりになります。
前後一時間予備点滴があります。
体調を確認して終了です。
朝お預かりして夕方に帰宅になります。
投与方法は通常の静脈輸液と変わらない為、手術などに比較してワンちゃんネコちゃんの体への負担は少なくなります。
又手術と併用する事も可能です。
既存の治療法が困難な場合などに選択いただく事が多いですが、適応には条件がございますのでご相談の上進めさせていただきます。
PRP 療法(多血小板血漿療法)について
PRP とは血液を遠心分離機する事によって得られる血小板を多く含んだ血漿分画成分です。
PRP 療法は、PRP に含まれる血小板の成長因子が持つ組織修復能力を利用し、動物が本来持っている治癒能力や組織修復、再生能力を最大限に引き出す再生医療です。人間の医療分野では、2000年頃からサッカー選手、メジャーリーガーやプロゴルファーの筋肉、靱帯などの組織修復を主とした治療にPRP療法が行われ、日本でも変形性関節症による膝や肘の痛みやスポーツ障害による筋肉や靱帯損傷などの治療で好成績を上げています。
【PRP療法の適応疾患】
PRP 療法は、PRP に含まれる血小板の成長因子が持つ組織修復能力を利用し、動物が本来持っている治癒能力や組織修復、再生能力を最大限に引き出す再生医療です。人間の医療分野では、2000年頃からサッカー選手、メジャーリーガーやプロゴルファーの筋肉、靱帯などの組織修復を主とした治療にPRP療法が行われ、日本でも変形性関節症による膝や肘の痛みやスポーツ障害による筋肉や靱帯損傷などの治療で好成績を上げています。
【PRP療法の適応疾患】
- 関節炎
- 骨折の癒合促進
- 大体骨頭壊死症(レッグペルテス)
- 前十字靱帯損傷(部分断裂)
- 難治性皮膚炎
- 褥瘡
- 角膜潰瘍